
「解剖生理学がまったく頭に入らない」「実習が始まってから、座学の勉強時間がまったく取れなくなった」——看護学部・看護学科に在籍する学生から、こうした悩みをよく聞きます。看護系の学部・学科は、他の多くの学部と違って座学と臨地実習の両方を高い水準でこなす必要があるという特有の事情を抱えており、その構造そのものが、特定の科目でつまずきやすい原因になっています。結論から言うと、看護学部で単位を落としやすい科目には一般的によく見られる傾向があり、その傾向とつまずく理由を理解したうえで対策を立てれば、挽回できる余地は十分に残っています。
この記事では、看護学部・看護学科のカリキュラムの特徴、解剖生理学・微生物学・薬理学といった専門基礎科目でつまずきやすい一般的な理由、実習期間中に座学の学習時間が確保しにくくなる構造的な背景、そして留年や単位不足が看護師国家試験の受験資格にどう関わってくるのかという制度の基本まで、順を追って整理します。すでに「単位を落としそう」「進級が危ないかもしれない」と不安を感じている方は、まず自分がどの段階でつまずいているのかを、この記事を使って整理してみてください。
想定している読者は、看護学部・看護学科の1〜2年次を中心に、解剖生理学や微生物学などの専門基礎科目の理解に苦しんでいる方、あるいは実習が本格化して座学との両立に限界を感じ始めている方です。すでに不合格科目が出てしまった方だけでなく、「今のペースのままだと危ない気がする」という段階で予防的に対策を知りたい方にも役立つ内容にまとめています。看護学部特有の事情として、座学の単位不足がその先の実習スケジュールや国家試験の受験計画にまで波及しうるという点は、他学部にはあまり見られない緊張感です。だからこそ、早い段階で全体像を把握しておくことに大きな意味があります。
なお、この記事はあくまで一般的な傾向・仕組みを整理したものであり、特定の大学・学部の実態を断定するものではありません。カリキュラムの詳細、進級要件、実習に必要な履修条件は大学・学部・学科ごとに大きく異なりますので、必ず所属大学の学生便覧・シラバス・教務課の案内で最終確認してください。また、努力すれば必ず単位が取れる、絶対に留年しないといったことを保証するものでもありません。

看護学部・看護学科で単位を落としやすい科目や状況には、いくつかの共通したパターンがあります。まずは全体像を、優先度の高い順に整理した表で確認してください。
| 段階 | 意識すべきこと | 目的 |
|---|---|---|
| 入学〜1年次 | 解剖生理学・生化学など専門基礎科目の予習・復習リズムを早期に作る | 後の学年で響く「土台」を落とさない |
| 専門基礎科目の履修期間 | 暗記量の多さを前提に、理解→関連づけ→反復という学習サイクルを意識する | 一夜漬けでは対応しきれない科目特性に合わせる |
| 実習開始前 | 実習を履修するために必要な単位・条件を教務課やシラバスで確認する | 「単位不足で実習に出られない」事態を避ける |
| 実習期間中 | 記録・レポート作成と並行して学習できる隙間時間の使い方を決めておく | 座学の遅れを最小限に抑える |
| 成績発表後 | 不合格科目があれば、再試験・追試・救済措置の有無と申請期限をすぐ確認する | 使える制度を取りこぼさない |
ポイントは、看護学部の単位の危うさは「試験直前の頑張り」だけでは取り戻しにくいという点です。専門基礎科目は暗記量そのものが多く、実習期間は物理的に学習時間が削られるため、日常的な積み重ねと、つまずいた時点での早めの立て直しが何より重要になります。他学部でよく見られる「テスト前の一夜漬けでなんとかする」という乗り切り方が、看護学部の専門基礎科目には通用しにくいという前提を早めに持っておくことが、結果的に一番の安全策になります。次の章から、この構造をより詳しく見ていきましょう。
対策を考える前に、そもそも看護学部・看護学科のカリキュラムがどのような構造になっているのかを整理しておきます。この構造を理解しておくと、「なぜこの時期にこの科目でつまずきやすいのか」が見えやすくなります。
多くの看護系大学・学科では、教育課程が大きく「共通教育科目(教養科目)」「専門基礎科目」「専門科目(専門教育科目)」の3つの区分で構成されています。1〜2年次は共通教育科目と専門基礎科目の比重が大きく、学年が上がるにつれて看護技術そのものを扱う専門科目や、病院・施設で行う臨地実習の比重が高まっていく、という流れが一般的です。この点は、多くの学部で座学中心の授業が卒業まで続くのとは大きく異なる特徴です。
実習は早い大学では1年次のうちから、基礎的な看護技術の見学・体験という形で始まることもあり、学年が進むにつれて実習の期間・領域(成人看護学実習、小児看護学実習、母性看護学実習、精神看護学実習など)が増えていきます。つまり看護学部の学生は、入学直後から「座学で知識を積み上げる時期」と「その知識を現場で使う時期」が交互に、しかも早い段階から訪れる、という進み方をすることになります。
他学部であれば、1つの学期にうまくいかない科目があっても、翌学期以降にじっくり立て直す時間的な余裕が比較的持ちやすいのに対し、看護学部では専門基礎科目の理解が不十分なまま実習期間に突入してしまうと、実習中に基礎知識を学び直す時間がほとんど取れないまま現場に出ることになりかねません。この「学び直しの猶予が短い」という時間的な制約こそが、看護学部のカリキュラムを他学部よりも計画性が求められるものにしている最大の理由だといえます。
| 科目区分 | 学ぶ内容の例 | 中心となる学年の傾向 |
|---|---|---|
| 共通教育科目 | 語学、情報リテラシー、人文・社会科学系の教養科目など | 主に1〜2年次 |
| 専門基礎科目 | 解剖生理学、生化学、微生物学、病理学、薬理学、栄養学など、医学的な基礎知識 | 主に1〜2年次、一部3年次まで継続 |
| 専門科目(専門教育科目) | 基礎看護学、成人看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、在宅看護学などの看護技術・理論と、それに対応する臨地実習 | 2年次後半〜4年次 |
ここで特につまずきやすいとされるのが、専門基礎科目と呼ばれる科目群です。解剖生理学、生化学、微生物学、病理学、薬理学といった科目が代表例で、いずれも「看護技術そのもの」ではなく、疾病や身体のしくみを理解するための医学的な基礎知識にあたります。これらは高校までの生物・化学の延長線上にある内容も多い一方で、扱う情報量が格段に増え、かつ「臨床でどう使うか」という応用まで求められる点で、高校の授業とは難易度の質が異なります。専門基礎科目のうち必修に指定されている科目は、落とすとそのまま進級判定に直結しやすいため、特に注意が必要です。必修科目という制度そのものの位置づけについては、別記事「大学の必修科目とは?落とした場合の進級への影響」でも一般的な仕組みを解説していますので、あわせて確認しておくと理解が深まります。専門基礎科目は、大学によって「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」といった科目群名でまとめられていることもありますが、いずれも解剖生理学・生化学・微生物学・病理学・薬理学・栄養学といった医学的基礎知識を扱う点は共通しています。他学部で言えば教養科目に近い位置づけに見えるかもしれませんが、実際には専門科目・実習の前提知識として機能する、いわば「専門科目の入口」にあたる重要な科目群です。
看護系のカリキュラムでは、専門科目の実習を履修するために、事前に特定の専門基礎科目や基礎看護学の単位を取得していることが条件になっているケースが一般的に見られます。つまり「専門基礎科目を落とす」ことは、その科目単体の問題にとどまらず、その後に予定していた実習が履修できなくなるという形で、後の学年のスケジュール全体に影響する可能性があるということです。加えて、実習前に到達度を確認するための学内試験や口頭試問、技術チェックを課している大学もあります。こうした要件の具体的な基準点や科目の組み合わせは大学・学科によって大きく異なるため、断定はできませんが、「専門基礎科目の単位取得状況が、その先の実習スケジュールに直結する」という構造自体は、多くの看護系カリキュラムに共通する一般的な傾向だといえます。自分の大学でどの科目がどの実習の履修条件になっているかは、必ず学生便覧やシラバスで確認してください。
看護学部のカリキュラムは、多くの場合、下の学年で学んだ内容を土台にして上の学年の内容が組み立てられる、積み上げ型の構造になっています。たとえば1〜2年次の解剖生理学・病理学・薬理学で学んだ知識は、3〜4年次の成人看護学や急性期看護学、老年看護学といった専門科目の中で、患者の状態をアセスメントするための前提知識として繰り返し登場します。さらにその先には、卒業後に控える看護師国家試験があり、国家試験の出題範囲も専門基礎科目から専門科目まで幅広くカバーしています。つまり、専門基礎科目でつまずいたまま学年だけを進めてしまうと、後になってから「あの科目をちゃんと理解していれば、今の内容もすっと頭に入ったはずなのに」という形で、遅れが雪だるま式に大きくなりやすい構造になっているのです。
逆に言えば、1〜2年次のうちに専門基礎科目の理解を丁寧に固めておくことは、目先の単位を確保するだけでなく、3年次以降の専門科目の学習効率や、将来の国家試験対策の負担そのものを軽くすることにもつながります。単位の取り方や学習計画の立て方そのものについては、別記事「大学の単位の取り方完全ガイド|落とさないための計画法」でも一般的な考え方を整理していますので、学期ごとの計画を立てる際の参考にしてください。
「単位を落とす」というテーマ自体はどの学部にも共通しますが、看護学部には他学部と比べて独自の事情がいくつかあります。代表的な違いを一覧にまとめます。
| 観点 | 一般的な学部 | 看護学部・看護学科 |
|---|---|---|
| 実習の位置づけ | 学部・学科によっては実習がない、あっても短期・少数 | 臨地実習が卒業要件の中核を占め、複数回・長期にわたる |
| 科目の代替可能性 | 選択科目の幅が広く、苦手科目を避けやすい場合がある | 専門基礎科目・専門科目の多くが必修で、避けて通りにくい |
| 単位不足の波及範囲 | 主に進級・卒業の可否にとどまることが多い | 進級・卒業に加え、実習の履修可否や国家試験の受験時期にも波及しうる |
| 学習内容の性質 | 学部により理解重視・暗記重視など性質が分かれる | 暗記量の多さと体系的理解の両方が同時に求められる科目が多い |
この比較からも分かるとおり、看護学部では「1つの科目のつまずき」が波及する範囲が他学部より広くなりやすいという特徴があります。だからこそ、早期発見・早期の立て直しの重要性が、他学部以上に高くなるのです。
ここからは、看護学部の学生が一般的につまずきやすいとされる専門基礎科目を具体的に見ていきます。すべての大学・学生に当てはまるわけではありませんが、多くの看護系サイトや現役看護学生の体験談でも共通して名前が挙がる科目には、共通した「つまずきやすい理由」があります。
解剖生理学は、人体の構造(解剖学)と、その働き(生理学)を扱う科目で、看護学部において多くの学生が最初にぶつかる壁だとされています。つまずきやすい理由は大きく2つあります。1つ目は、単純に覚えるべき用語・器官名・数値が膨大であること。骨・筋肉・神経・血管・臓器の名称から、ホルモンの種類とはたらき、血液検査の基準値まで、暗記すべき情報量が高校までの生物とは比べものにならないほど多くなります。2つ目は、単なる暗記科目ではなく、「呼吸器の構造がどう機能とつながり、それが病気になるとどう変化するのか」といった、構造と機能と疾病を関連づけて理解する力が求められる点です。丸暗記だけで乗り切ろうとすると、定期試験は突破できても、後の専門科目や国家試験の応用問題で対応できなくなりやすい、という指摘もよく見られます。
対策としては、「理解→関連づけ→反復」というサイクルを意識した学習法が有効だとされています。具体的には、まず教科書や図を見ながら大まかな構造を理解し、次にその構造がどんな機能・疾病とつながっているかを関連づけ、最後に短時間の学習を高頻度で繰り返して定着させる、という流れです。自分で下手でもよいので図を描いてみる、声に出しながら覚える、語呂合わせを作るといった、五感を使った学習法も、暗記量の多さを補う工夫として紹介されることが多くあります。一夜漬けで乗り切れる科目ではないという前提を早い段階で持つことが、結果的に一番の近道になります。
もう一つ意識したいのが、学習範囲の絞り込みです。教科書の隅から隅まで完璧に覚えようとすると、情報量の多さに圧倒されてかえって手が止まってしまうことがあります。まずは授業で強調された図やポイント、過去の小テストで問われた範囲を優先して確実に理解し、余力があれば周辺知識を広げていくという「優先順位をつけた学習」のほうが、結果的に定着率が高くなりやすいとされています。また、国家試験レベルの選択問題を early のうちから少しずつ解いておくと、単なる暗記が「臨床でどう使う知識か」という文脈とセットで身につきやすくなり、後の専門科目の理解もスムーズになります。
生化学は、体内で起こる化学反応やエネルギー代謝のしくみを扱う科目で、解剖生理学と並んで専門基礎科目の早い段階に配置されることが多い科目です。糖質・脂質・たんぱく質の代謝経路など、化学式や反応の名称を数多く扱うため、「化学が苦手」という意識のある学生ほど苦戦しやすい傾向があるとされています。つまずきやすい最大の理由は、個々の化学反応を暗記しても、それが看護の実践や疾病の理解とどうつながるのかが、学習の初期段階では見えにくいことです。たとえば「なぜ糖尿病の患者にこの検査値が重要なのか」を理解するには、糖代謝の基本を押さえておく必要がありますが、生化学を学んでいる時点では、その先の臨床的な意味までイメージしにくいため、暗記が作業的になりがちです。対策としては、個々の反応を丸暗記するのではなく、「このしくみが崩れると、どんな病気につながるのか」という一段先の視点とセットで学ぶと、記憶に残りやすくなるとされています。
具体的な学習の進め方としては、代謝経路を最初から細部まで図ごと覚えようとするのではなく、まず「糖質代謝」「脂質代謝」「たんぱく質代謝」といった大きな単位でおおまかな流れをつかみ、そのうえで各経路の入り口と出口(何から始まり、最終的に何になるのか)だけを先に押さえる、という段階的な順序が有効だとされています。細かい酵素名や中間代謝物をすべて同時に覚えようとすると途中で挫折しやすいため、まずは大枠の流れを繰り返し確認して全体像を固め、余力に応じて細部を後から追加していくというやり方が、生化学特有の抽象度の高さを乗り越えるコツだといえます。
微生物学は、細菌・ウイルスなどの病原体の種類、感染経路、感染症の成り立ちを扱う科目です。病理学は、病気がどのように発生し、進行していくのかという「疾病の成り立ち」そのものを扱います。どちらも解剖生理学と同様に暗記量が多いことに加え、対象が目に見えないため、イメージしにくく苦手意識を持ちやすいという指摘があります。感染経路や病態の変化は、図表やイラストで視覚化されていても、実際の臨床現場を見たことがない低学年のうちは実感が湧きにくく、暗記が作業的になりがちです。結果として、試験直前に情報を詰め込むだけの学習になり、記憶に残らないまま次の学期に進んでしまう、という悪循環に陥りやすい科目だといえます。対策としては、病原体を種類ごとにバラバラに覚えるのではなく、「感染経路(飛沫・接触・経口など)ごとにグループ分けして覚える」「代表的な感染症とセットで覚える」など、情報同士のつながりを意識した整理の仕方が有効だとされています。病理学についても同様に、正常な状態(解剖生理学で学んだ内容)と、病気になったときの変化を対比させながら学ぶことで、単なる暗記から一歩進んだ理解につながりやすくなります。
より具体的には、微生物学であれば、まず「グラム陽性菌・グラム陰性菌」といった大きな分類軸で細菌を整理し、そのうえで代表的な感染症(食中毒、院内感染、性感染症など)と結びつけて覚えると、単なる名称の暗記から一歩進んだ理解につながりやすくなります。病理学であれば、炎症・変性・壊死・腫瘍といった基本的な病態のパターンをまず押さえ、そのパターンが臓器ごとにどう現れるかを後から肉付けしていく、という順序で学習を進めると、情報量の多さに圧倒されにくくなります。いずれの科目も、細かい知識を先に詰め込むのではなく、大きな分類・パターンを先に理解してから枝葉を広げるという学習の順序が、つまずきを防ぐ共通のポイントになっています。
薬理学は、薬がどのように作用し、どんな副作用があるのかを扱う科目です。薬効・副作用・禁忌の暗記量が多いことに加え、薬用量の計算など数的な処理が求められる場面もあり、暗記科目と計算科目の両方の性質を併せ持っています。臨床経験のない学生にとっては「なぜこの薬をこの場面で使うのか」という実感が湧きにくく、単なる暗記になりやすい一方で、後の実習や国家試験では臨床の場面設定と組み合わせて出題されるため、丸暗記だけでは対応しきれなくなる科目でもあります。
薬理学でつまずきやすいもう一つの理由は、薬の分類(作用機序による分類)と、実際の商品名・一般名が一致せず、覚えるべき情報が二重・三重になりやすい点です。たとえば同じ作用機序に分類される薬でも、複数の一般名・商品名が存在し、それぞれに微妙に異なる特徴があるため、混同しやすくなります。対策としては、薬を一つひとつ独立して覚えるのではなく、「作用機序ごとの薬のグループ」というくくりで整理し、代表的な1〜2剤をまず確実に覚えたうえで、そのグループの他の薬との共通点・相違点を後から肉付けしていくという学習の順序が、情報を整理しやすくするとされています。計算問題についても、公式を丸暗記するのではなく、単位(mgとmLの関係など)の意味を理解したうえで繰り返し練習することが、応用問題への対応力につながります。
ここまで見てきた科目の特徴を、一覧表として整理します。自分がどの科目でどんなタイプのつまずき方をしているのかを確認する目安として使ってください。
| 科目 | つまずきやすい理由 | 対策の視点 |
|---|---|---|
| 解剖生理学 | 暗記量が膨大で、かつ構造と機能を関連づけて理解する必要がある | 図示・語呂合わせなど五感を使った学習、短時間×高頻度の反復 |
| 生化学 | 化学的な反応・経路が抽象的で、体内での意味とつながりにくい | 身体の中で「何のために」その反応が起きるのかを先に押さえる |
| 微生物学 | 対象が目に見えず、暗記が作業的になりやすい | 感染経路など「流れ」で覚え、代表的な疾患と結びつける |
| 病理学 | 疾病の成り立ちという抽象的なプロセスを扱う | 正常な状態(解剖生理学)との比較で理解する |
| 薬理学 | 暗記量に加え、薬用量計算などの数的処理も必要 | 作用機序を先に理解し、暗記量を「意味づけ」で圧縮する |
共通しているのは、いずれも単純な丸暗記だけでは長続きしない科目だという点です。逆に言えば、早い段階で「理解してから覚える」学習法に切り替えられれば、暗記量の多さそのものは変わらなくても、定着のスピードと持続性は大きく変わってきます。すでに単位を落としてしまった科目がある場合、その後の進級・卒業にどう影響するかの一般的な仕組みは、別記事「大学で単位を落とすとどうなる?進級・卒業への影響を解説」でも整理していますので、あわせて確認しておくと状況の整理に役立ちます。
文系学部や、暗記よりも理解・応用が中心の理系学部から情報を仕入れて勉強法を真似ても、看護学部の専門基礎科目ではうまくいかないことがあります。理由は、看護学部の専門基礎科目が「暗記量の多さ」と「体系的な理解」の両方を同時に要求する、やや特殊な性質を持っているためです。暗記だけに寄せた勉強法では応用問題や国家試験レベルの問題に対応できず、逆に理解だけに時間をかけすぎると、試験までに覚えるべき情報量を消化しきれなくなります。「まず全体像を理解してから、細部を反復で埋めていく」という順序を意識することが、看護学部特有の科目特性に合った勉強法だといえます。
専門基礎科目でのつまずき方には、いくつかの典型的なパターンがあるとされています。自分がどのパターンに近いかを把握しておくと、対策も立てやすくなります。
| つまずき方のパターン | 特徴 | 立て直しの視点 |
|---|---|---|
| 入学直後からのつまずき | 高校の生物・化学の基礎が固まっておらず、専門基礎科目の内容についていけない | 専門基礎科目と並行して、高校範囲の基礎知識を短期間で補強する |
| 暗記量に圧倒されるタイプ | 範囲の広さに気後れし、着手そのものが遅れてしまう | 教科書全体ではなく、頻出範囲から優先順位をつけて着手する |
| 実習開始後に崩れるタイプ | 入学当初は順調だったが、実習が始まってから座学の時間が取れなくなる | 実習前に専門基礎科目の理解をできるだけ固め、実習中は隙間時間学習に切り替える |
| 一度の不合格から連鎖するタイプ | ある科目の不合格をきっかけに自信を失い、他の科目にも影響が広がる | 不合格科目を早期に切り分け、再試験・救済措置の有無を確認して個別に対処する |
どのパターンにも共通するのは、つまずきに気づいた時点が早いほど、立て直しにかかる負担が小さく済むということです。「様子を見てから動く」のではなく、違和感を覚えた段階で早めに手を打つことが、結果的に一番効率のよい対策になります。

看護学部で単位を落とす原因は、科目そのものの難しさだけではありません。実習期間中は、物理的に座学の勉強時間を確保しにくくなるという構造的な問題も大きく関わっています。
臨地実習では、病院や施設での実習そのものに加えて、毎日の実習記録・看護計画・レポートの作成が求められます。記録の作成には時間がかかることが多く、実習後にまとめの時間を確保する必要があるため、結果として睡眠時間や自由時間が削られやすくなります。加えて、事前学習が不十分だと、翌日の実習で処置の必要性や根拠を説明できず、実践させてもらえないことがあるため、実習前の予習と、実習後の記録という「二重の負荷」が発生しやすいのが実習期間の特徴です。体力的な疲労に加えて、慣れない臨床現場での緊張感やプレッシャーといった精神的な負荷も重なるため、実習期間中に専門基礎科目の復習にまとまった時間を割くことは、現実的にかなり難しくなります。
臨地実習は、学年が進むにつれて複数の領域に分かれて実施されるのが一般的です。代表的な実習領域と、それぞれで求められる専門基礎科目の知識の関係を整理します。
| 実習領域の例 | 主な対象 | 関連が深い専門基礎科目の例 |
|---|---|---|
| 基礎看護学実習 | 看護技術の基本、患者とのコミュニケーション | 解剖生理学、看護理論 |
| 成人看護学実習 | 成人期の患者(急性期・慢性期など) | 解剖生理学、病理学、薬理学 |
| 老年看護学実習 | 高齢者の看護、生活機能の維持・支援 | 解剖生理学、病理学 |
| 小児看護学実習 | 子どもとその家族への看護 | 解剖生理学(発達段階)、薬理学(小児薬用量) |
| 母性看護学実習 | 妊産婦・新生児への看護 | 解剖生理学(生殖器系)、病理学 |
| 精神看護学実習 | 精神疾患を持つ患者への看護 | 解剖生理学(脳・神経系)、薬理学(向精神薬) |
| 在宅看護学実習 | 療養者の自宅・地域での看護 | 解剖生理学、社会保障制度の知識 |
この表からも分かるとおり、解剖生理学をはじめとする専門基礎科目の知識は、ほぼすべての実習領域で繰り返し土台として使われます。特定の実習だけをやり過ごすために科目を覚えるのではなく、どの実習にも応用できる基礎知識として身につけておくことが、結果的にどの実習でも負担を減らすことにつながります。
たとえば成人看護学実習に入る前に病理学・薬理学の理解があいまいなままだと、受け持ち患者の疾患や処方薬の作用を看護計画に落とし込む段階でつまずきやすくなり、担当患者について説明を求められた際にとっさに答えられず、実習指導者からの評価にも影響しかねません。逆に言えば、専門基礎科目の理解を実習前にある程度固めておくことは、単に座学の単位を確保するだけでなく、実習そのものの評価や学びの質そのものを左右する実践的な準備でもあるのです。
実習の内容や時間帯は大学・実習先によって異なりますが、多くの看護系サイトで紹介されている一般的なイメージを、目安として表にまとめます。
| 時間帯 | 内容の例 |
|---|---|
| 早朝 | 身支度・移動、実習先での申し送り前の情報収集 |
| 日中 | 病棟・施設での実習(観察、ケア、看護技術の実践など) |
| 夕方〜夜 | 実習記録・看護計画・レポートの作成 |
| 夜〜深夜 | 翌日の実習のための事前学習、場合によっては就寝時間の後ろ倒し |
このスケジュールはあくまで一般的なイメージであり、実際の負担は実習の種類・時期・個人差によって大きく異なります。ただ、多くの体験談に共通しているのは、実習期間中は「新しく専門基礎科目を勉強し直す時間」をまとまった形で確保するのが難しいという点です。だからこそ、実習が始まる前の段階で専門基礎科目の理解をある程度固めておくことが、後々の負担を大きく左右します。
実習期間中にまったく学習時間が取れないわけではありません。ポイントは、実習前と同じやり方(まとまった時間机に向かう学習)を実習中も続けようとしないことです。通学の移動時間や、実習先での待機時間、就寝前の10〜15分程度の隙間時間を使って、暗記カードや一問一答形式の問題を短く繰り返す、という形に学習スタイルを切り替えている学生が多く見られます。特に、その日の実習で担当した疾患・処置に関連する専門基礎科目の知識を、その日のうちに軽く振り返るようにすると、実習での体験と知識が結びつきやすくなり、単なる暗記よりも記憶に定着しやすくなるとされています。また、実習記録の作成そのものに時間がかかりすぎている場合は、記録の書き方や要点整理のコツを教員や先輩に相談することで、記録作成の時間を短縮し、その分を学習時間に充てられる余地が生まれることもあります。
学習ツールの使い方を工夫している学生も多く見られます。たとえば、スマートフォンの暗記アプリに解剖生理学・薬理学の要点をまとめて登録しておき、通学時間や実習先での待機時間にスキマ時間で繰り返し確認する、あるいは重要なポイントを自分の声で録音しておき、移動中に「聞く学習」として耳から情報を入れるといった方法です。机に向かう時間を確保できない実習期間だからこそ、こうした「ながら学習」を組み合わせることで、学習が完全に止まってしまう状態を避けやすくなります。ただし、実習中は体力的な疲労も大きいため、無理に学習時間を詰め込みすぎず、睡眠時間を最優先に確保したうえで、その範囲内でできる工夫を積み重ねるという優先順位を忘れないようにしましょう。
実習が終わった直後に、専門基礎科目や専門科目の定期試験・再試験の時期が重なることも珍しくありません。実習中に消化しきれなかった課題や復習が積み残しになったまま試験を迎えると、普段以上に厳しい状況で試験に臨むことになります。年間のスケジュールを早めに把握し、「実習期間中にどこまで手が回らなくなるか」を見越して、実習前・実習後の学習計画を立てておくことが、この負荷を乗り切るための現実的な対策になります。再試験・追試の一般的な仕組みについては、別記事「大学の再試験・追試の違いと対策|落ちたらどうなる」でも解説していますので、不合格科目が出た場合の動き方の参考にしてください。
看護学部の学生にとって、単位や進級の問題は「その学年をやり直すかどうか」だけでなく、その先にある看護師国家試験の受験資格にも関わってくる点が、他学部との大きな違いです。ここでは一般的な仕組みを整理します。
看護師国家試験の受験資格を得るためには、高等学校卒業後に、大学(4年制)、短期大学(3年制)、専門学校(3年制または4年制)など、看護師を養成する所定の学校・養成所で、必要なカリキュラムをすべて修めて卒業する(卒業見込みを含む)ことが必要とされています。つまり、看護系の大学に在籍しているというだけでは受験資格は得られず、定められた教育課程を最後まで修了し、卒業することが前提になっているという、この分野特有の仕組みがあります。
看護師国家試験は例年2月中旬に実施されており、年に一度しか実施されないという点も、看護学部特有の緊張感につながっています。他学部であれば、進級判定や卒業要件のクリアが多少ずれ込んでも、その後の進路(就職活動や大学院進学など)への影響が限定的なケースもありますが、看護師国家試験の場合は「その年度の受験機会を逃すと、次に受けられるのは1年後」という制約が明確にあるため、専門基礎科目や実習の単位を予定どおりの学年で積み上げていくことの重要性が、スケジュール面でも実感しやすい形になっています。正確な実施時期や出願手続きは年度によって変わる可能性があるため、必ず厚生労働省が公表する最新の実施要項や、大学の教務課の案内で確認してください。
看護師国家試験の出題範囲は、解剖生理学・生化学・微生物学・病理学・薬理学といった専門基礎科目から、専門科目、社会保障制度に関する知識まで幅広くカバーしています。つまり、在学中に専門基礎科目を「単位を取るためだけの一夜漬け」で乗り切ってしまうと、その知識は定期試験が終わった時点で忘れてしまい、結果として3〜4年次に本格化する国家試験対策の段階で、専門基礎科目を最初から学び直すことになりかねません。逆に、1〜2年次のうちに専門基礎科目を「理解を伴った形」で身につけておけば、国家試験対策の時期になったときの負担は大きく軽くなります。単位を落とさないための学習と、国家試験対策は、実は同じ土台の上にあるという点は、看護学部の学生にとって知っておく価値のある視点です。
この仕組みから導かれる一般的な帰結として、留年や単位不足によって卒業が予定より遅れる場合、その学年での看護師国家試験の受験資格を予定どおりに得ることが難しくなります。国家試験は毎年決まった時期に実施されるため、卒業(または卒業見込み)が確定していなければ出願そのものができない、という制度上の前提があるためです。これは座学の単位だけでなく、臨地実習の単位が不足している場合も同様で、座学・実習のどちらか一方でも卒業要件を満たせなければ、国家試験のスケジュールに影響が及ぶ可能性があるという点は、看護学部特有の緊張感につながっています。具体的な取り扱いやスケジュールへの影響は大学・年度によって異なるため、心配な場合は必ず教務課に確認してください。留年という状態そのものの定義や一般的な仕組みについては、別記事「大学生の留年とは?基準・時期・親への伝え方まで徹底解説」でも整理していますので、あわせて参考にしてください。
仮に在学中の年限で卒業要件を満たせなかった場合、一般的には留年してもう一年在籍し、不足している単位・実習を翌年度以降に履修し直すという流れになります。看護師国家試験は年に一度、決まった時期に実施されるため、その年度に卒業(見込み)が確定していなければ、その回の受験は見送りとなり、卒業が確定した次の実施回で受験を目指す、という形が一般的な仕組みです。これは「一生受験できなくなる」というものではなく、あくまで受験のタイミングが後ろにずれるという性質のものですが、同級生より卒業・国家試験受験・就職(看護師としての勤務開始)が1年単位で遅れることになるため、本人にとっても、進路計画を立てている保護者にとっても、影響は小さくありません。だからこそ、専門基礎科目や実習の単位を、できる限り予定どおりの学年で積み上げていくことの重要性が、他学部以上に高くなるのです。
看護学部の場合、留年は単に「もう1年、同じ授業を受け直す」というだけにとどまらず、実習先の受け入れスケジュールとの兼ね合いや、国家試験の受験年度がずれ込むことによる将来設計への影響まで含めて考える必要があります。加えて、看護系の大学・学科は私立の場合、学費が他学部より高めに設定されていることも多く、留年による追加の学費負担が家計にとって大きな影響を及ぼすケースも見られます。留年した場合の学費への一般的な影響については、別記事「大学生が留年したら学費はいくら増える?費用の実態」でも取り上げていますので、経済的な見通しを立てる際の参考にしてください。だからこそ、専門基礎科目でつまずいた段階でできるだけ早く立て直しに動くことが、後々の負担を最小限に抑えるための重要な分かれ道になります。
ここで強調しておきたいのは、専門基礎科目で一度つまずいたからといって、看護師になる道そのものが閉ざされるわけではないという点です。留年や単位不足が国家試験の受験タイミングに影響する可能性はありますが、それはあくまでスケジュールが後ろにずれるという性質のものであり、多くの学生が立て直しを経て卒業・国家試験合格・就職へとたどり着いています。大切なのは、つまずきに気づいた時点でできるだけ早く軌道修正を始め、無理のないペースで積み上げ直していくことです。
ここでは、専門基礎科目や実習との両立でつまずいた学生によく見られる失敗パターンを整理します。自分が同じ状況に陥っていないか、チェックしてみてください。
不合格科目が出てしまった場合でも、多くの大学では再試験や追試、場合によっては個別の救済措置が用意されていることがあります。こうした制度の一般的な内容や相談先については、別記事「大学の「単位の救済措置」とは?申請できるケースと相談先」でも解説していますので、不合格科目への対応に迷ったときの参考にしてください。
専門基礎科目でのつまずきや実習との両立の負荷は、性質の異なる問題が絡み合っているため、「何から手をつければいいかわからない」状態に陥りやすいのが特徴です。次のような状態にあてはまる場合は、一人で抱え込まず、早めに専門的なサポートを検討するタイミングだといえます。
ここで押さえておきたいのは、専門基礎科目の内容は、高校までの生物・化学の知識を土台にした「理解の仕方」の科目であり、実際の看護技術や臨地実習の指導そのものとは性質が異なるという点です。教養課程・基礎科目の理解を立て直すことは、看護技術そのものの専門家でなくても対応できる領域です。スプリング・オンライン家庭教師の単位・進級サポートでは、解剖生理学・生化学・微生物学・薬理学といった専門基礎科目の土台となる理解の立て直しや、レポート・課題の書き方の指導を、個別指導という形でサポートしています。一方で、看護技術の実技指導や臨地実習そのものへの対応は範囲外となるため、その部分は所属大学の教員・実習指導者に相談する必要がある、という点はあらかじめご理解ください。
具体的には、「教科書のどこが試験に出やすい重要ポイントなのか整理してほしい」「独学だと理解の抜け漏れに自分で気づけない」「次の小テスト・定期試験までの限られた時間で、優先順位をつけて学習を進めたい」といったニーズに対して、一人ひとりの理解度に合わせたペースで並走することができます。特に、実習期間と重なって自分だけではどうしても学習時間を確保しきれない時期に、短時間でも要点を押さえた指導を受けられることは、独学での立て直しに比べて負担を軽減できる場合があります。
なお、努力を重ねたうえで「そもそも看護という進路が自分に合っているのか」という根本的な悩みに突き当たる学生も、ごくまれに存在します。その場合、今の大学・学部で立て直しを目指すのか、それとも別の学部・大学への大学編入という選択肢を検討するのかは、非常に大きな決断であり、誰にでも当てはまる答えがあるわけではありません。あくまで数ある選択肢の一つとして、視野の片隅に置いておく程度でよいでしょう。

一般的には、解剖生理学・生化学・微生物学・病理学・薬理学といった専門基礎科目が挙げられることが多いです。いずれも暗記量が多いことに加え、単なる暗記にとどまらず構造や機能、疾病との関連づけまで理解する必要がある点が、つまずきやすさにつながっているとされています。特に解剖生理学は多くの専門科目の土台になるため、ここでつまずくと後々まで影響が続きやすい科目だとされています。
「理解→関連づけ→反復」というサイクルを意識した学習法がよく紹介されています。図を描いて構造を視覚化する、声に出しながら覚える、語呂合わせを作るなど五感を使った工夫に加えて、短時間の学習を高頻度で繰り返すことが、暗記量の多さを補ううえで有効だとされています。教科書全体を均等に覚えようとせず、授業で強調された範囲や過去の小テストの傾向を優先して固めることも、効率を上げるポイントの一つです。
実習期間中は記録作成などに時間を取られ、まとまった学習時間の確保が難しくなるのが一般的です。そのため、実習が始まる前の段階で専門基礎科目の理解をある程度固めておき、実習期間中は隙間時間での短時間の復習に切り替えるなど、実習前・実習中で学習のやり方を分けて考えることが現実的な対策になります。
多くの看護系カリキュラムでは、特定の専門基礎科目や基礎看護学の単位取得が、その先の実習の履修条件になっていることが一般的です。そのため、専門基礎科目の不合格が、後の実習スケジュールに影響する可能性はあります。具体的な条件は大学・学科によって異なるため、必ず自分の大学のシラバスや学生便覧で確認してください。
看護師国家試験の受験資格は、所定の教育課程を修めて卒業する(卒業見込みを含む)ことが前提になっています。そのため、留年や単位不足によって卒業が遅れる場合、予定していた年度での受験資格を得ることが難しくなる可能性があります。座学だけでなく実習の単位不足も影響し得るため、不安がある場合は早めに教務課に確認することをおすすめします。これは受験の機会が永久になくなるというものではなく、卒業が確定した次の実施回で受験を目指す形になるのが一般的です。
大学によっては、不合格科目に対して再試験・追試や、個別の救済措置が用意されている場合があります。制度の有無や条件は大学ごとに大きく異なるため、成績が確定したら早めに教務課やシラバスで確認し、申請期限を逃さないようにすることが重要です。
実習直後に定期試験や再試験の時期が重なることは珍しくありません。年間スケジュールを早めに把握し、実習前にできる範囲で専門基礎科目の復習を進めておく、実習後の限られた時間で優先順位をつけて学習するなど、事前の見通しを立てておくことが負荷を軽減する現実的な対策になります。
個別指導が対応できるのは、解剖生理学・微生物学・薬理学といった専門基礎科目の理解の立て直しや、レポート・課題の書き方といった教養課程・基礎科目の領域が中心です。看護技術の実技指導や臨地実習そのものへの対応は範囲外となるため、その部分は所属大学の教員・実習指導者への相談が必要です。
まずは専門基礎科目のつまずきが「理解の仕方」の問題なのか、進路そのものへの迷いなのかを切り分けて考えることが重要です。多くの場合、学習法の見直しや実習期間の負荷対策で立て直せる可能性があります。それでも根本的な進路の迷いが残る場合、他学部・他大学への編入は選択肢の一つですが、誰にでも当てはまる正解ではなく、慎重に検討すべき大きな決断です。
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看護学部・看護学科で単位を落としやすい科目には、解剖生理学・生化学・微生物学・病理学・薬理学といった専門基礎科目が共通して挙げられます。いずれも暗記量が多いだけでなく、構造・機能・疾病を関連づけて理解する力が求められる点が、つまずきやすさの背景にあります。加えて、臨地実習が本格化すると座学の学習時間そのものが物理的に確保しにくくなり、専門基礎科目の不合格がその先の実習の履修条件や、看護師国家試験の受験資格にまで影響しうるという、看護学部特有の構造も押さえておく必要があります。
学年ごとに意識すべきことも変わってきます。1〜2年次は解剖生理学・生化学・微生物学・薬理学といった専門基礎科目の理解を、一夜漬けではなく日々の反復で固める時期、実習が本格化する時期は座学のやり方を隙間時間中心に切り替える時期、そして成績発表後は不合格科目の再試験・救済措置の有無をすぐに確認し、次の実習の履修条件に響かないよう手を打つ時期——というように、時期ごとの優先順位を意識しておくと、限られた時間の中でも的を絞った対策がしやすくなります。専門基礎科目でつまずいたまま学年だけを進めてしまうと、3〜4年次の専門科目や国家試験対策の段階で同じ内容を学び直すことになり、結果的に負担が二重にかかってしまいます。早い段階で理解を固めておくことは、目先の単位確保だけでなく、その先の学習全体の負担を軽くすることにもつながります。
大切なのは、つまずきに気づいた時点でできるだけ早く、理解の立て直しに着手することです。「理解→関連づけ→反復」という学習サイクルを意識し、実習前・実習中で学習のやり方を切り替え、不合格科目が出た場合は再試験・救済措置の有無を早めに確認する——この基本を押さえるだけでも、状況は大きく変わってきます。看護学部特有の緊張感はありますが、専門基礎科目のつまずきは、性質を理解したうえで正しい手順を踏めば、決して立て直せないものではありません。一人で抱え込まず、指導教員や学生相談室、そして必要であれば単位・進級サポートのような専門基礎科目に特化した個別指導も選択肢に入れながら、今できることから一つずつ立て直していきましょう。