
「國學院大學 留年率」「流通経済大学 留年率」と検索してこのページにたどり着いた方の多くは、志望校、あるいは今在籍している大学の留年の実態を、具体的な数字で知りたいのではないでしょうか。結論からお伝えすると、國學院大學については、公式サイトの情報公開ページと大学ポートレート(国内版・私学版)を確認した範囲で、学部別の留年者数・留年率を具体的な数値として公表しているページは見当たりませんでした。一方流通経済大学は、「留年率」という項目名こそ使っていないものの、公式サイトの「ファクトブック」というページに、それに近い意味を持つ「3学年進級率」「退学率」を学科別・年度別に公表しており、これらの数値からある程度の傾向を読み取ることができました。「調べ方が悪いのではないか」と不安になるかもしれませんが、これは調べ方の問題ではなく、大学ごとに教育情報の公表範囲や置き場所が異なることが根本的な理由です。
一方で、同じ「中堅私大」と呼ばれる規模・偏差値帯の大学であっても、関西学院大学のように、学部・学科別の留年者数・留年率を年度ごとに詳細に公表している大学もあります。この記事では、國學院大學・流通経済大学の公式情報公開ページで実際に何が確認できて何が確認できないのかを一つずつ整理したうえで、関西学院大学が公表している実際の学部別留年率データを紹介します。そのうえで、中堅私大に共通しやすい学部構成の多様性や進級要件の違い、留年を避けるために在学中にできる一般的な対策まで、大学名を断定した噂ではなく確認できた一次情報にもとづいて解説します。
先にお断りしておくと、この記事では確認できなかった具体的な留年率(%)を推測や噂で補うことは一切していません。國學院大學・流通経済大学については「大学公式サイトの教育情報公表ページで確認できる範囲」を正直にお伝えし、関西学院大学については実際に確認できた数字を年度・学部単位で紹介します。数字の有無そのものが、大学ごとの情報公開の姿勢の違いを表しているとも言えるので、その点も含めて読み進めていただければと思います。

本題に入る前に、この記事の要点を先にまとめます。詳しい内容は後の章で解説しますが、まず結論だけ知りたい方はここだけ読んでも全体像がつかめます。
まずは、この記事の主要な検索キーワードである國學院大學・流通経済大学について、編集部が実際に公式サイトを確認した結果を、そのままお伝えします。噂や推測を交えず、公式ページに何が書かれていて何が書かれていないかを事実として整理することが、この記事の出発点です。
國學院大學は、公式サイトの「國學院大學について」内に「情報公開」というページを設けており、学校教育法施行規則第172条の2にもとづく教育研究活動の状況を公開しています。このページに掲載されている項目を大きく分けると、次のようになります。
| 公表カテゴリ | 具体的な項目 |
|---|---|
| 入学者、在学者、卒業(修了)者 | 入学定員と入学者数/収容定員と在学者数/卒業者数と就職の状況/退学・除籍者数 |
| 卒業・修了の認定基準 | 卒業(修了)に必要な単位数/取得できる学位/カリキュラム・ポリシー/ディプロマ・ポリシー |
| 授業について | シラバス |
| 学費等納付金、奨学金 | 学部の学費/学内外の奨学金制度 |
ご覧の通り、「留年者数」「留年率」という項目名の公表ページは、この一覧の中に存在しません。一方で、「退学・除籍者数」については年度ごとにPDF資料が公開されており、学科別・学年別の退学者数・除籍者数を確認することができます。つまり、國學院大學は退学・除籍に関する数字は公表しているが、留年そのものの数字は公表項目に含めていないという状態です。これは決して珍しいことではなく、多くの大学に共通する公表パターンの一つです。
「卒業・修了の状況」のページでは、学部・学科別の卒業者数、就職者数、大学院進学者数などが年度ごとに公表されています。この数字から在籍学生数(収容定員と在学者数のページで確認可能)と照らし合わせれば、大学全体としてどの程度の学生が標準的な年限で卒業に至っているかを、ある程度推測する手がかりにはなります。ただし、これはあくまで編集部による間接的な読み解きであり、國學院大學自身が「留年率」として算出・公表している数値ではない点には注意してください。
結論として、國學院大學の留年率を検索している方に正直にお伝えできることは、「大学が公式に算出・公表している留年率という数値は、現時点で確認できなかった」という事実です。学部・学科ごとの詳しい進級要件や、卒業に必要な単位数については、公式サイトの「卒業(修了)に必要な単位数」のページや、入学時に配布される履修要綱で確認することをおすすめします。
流通経済大学も、公式サイトの「大学情報」内に「学生に関する情報」というページを設けています。ここでは、経済学部(経済学科・経営学科)、共創社会学部(地域人間科学科・国際文化ツーリズム学科)、流通情報学部(流通情報学科)、法学部(法律学科・自治行政学科)、スポーツ健康科学部(スポーツ健康科学科・スポーツコミュニケーション学科)という学部・学科構成ごとに、次の情報が公表されています。
| 公表されている項目 | 内容 |
|---|---|
| 入学者数 | 学科別の最新年度の入学者数 |
| 収容定員 | 学科別の収容定員(在籍できる学生数の上限の目安) |
| 在学者数 | 学科別の在学者数の合計 |
| 学位授与数 | 直近年度の学科別の卒業者(学位授与)数 |
編集部が確認した限り、この「学生に関する情報」ページ自体には留年者数・留年率、標準修業年限内卒業率にあたる数値は掲載されていません。大学ポートレート(私学版)に掲載されている流通経済大学のページも同様で、入学者数・定員・学生数といった基本統計にとどまり、留年に関する具体的な割合は確認できませんでした。
ただし、公式サイトを「大学情報」の別ページまでたどると、「ファクトブック」という資料の中に、「留年率」という項目名ではないものの、それに近い意味を持つ「3学年進級率」と「退学率」が、学科別・年度別(2019〜2024年度)に具体的な数値で掲載されていました。3学年進級率とは、2年生から3年生へ進級できた学生の割合を指し、100%からこの数字を引いた割合が、進級できなかった学生(留年・退学等)のおおよその目安になります。
| 学科 | 2019年度 | 2022年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| 経済学科 | 94.7% | 95.1% | 91.7% |
| 経営学科 | 95.7% | 95.7% | 93.4% |
| 地域人間科学科 | 91.7% | 96.1% | 88.2% |
| 国際文化ツーリズム学科 | 96.0% | 95.7% | 93.1% |
| 流通情報学科 | 97.3% | 97.1% | 89.9% |
| 法律学科 | 96.4% | 97.8% | 94.5% |
| 自治行政学科 | 97.4% | 95.5% | 94.1% |
| スポーツ健康科学科 | 99.0% | 96.9% | 96.8% |
| スポーツコミュニケーション学科 | 98.0% | 94.8% | 94.6% |
| 全学 | 96.2% | 96.0% | 93.3% |
全学の3学年進級率は、2019年度の96.2%から2024年度には93.3%まで低下しています。同じファクトブックには退学率のデータも学科別に掲載されており、2023年度の全学の退学率は3.7%でした。100%から3学年進級率を引いた割合(2023年度は6.8%)から退学率(3.7%)を大まかに差し引くと、3%程度が留年に近い状態にある学生の目安として浮かび上がってきます。ただし、これはあくまで2つの独立した公表データを組み合わせた概算であり、進級率と退学率の集計対象・測定時点が完全に一致しているとは限らないため、正確な「留年率」そのものではなく、あくまで目安として捉えてください。入学者数と学位授与数(卒業者数)を単純に比較して独自に「留年率」を算出することも避けています。これは入学年度のずれや、休学・留学・早期卒業などの要因を無視した乱暴な計算になってしまうためです。流通経済大学の在学中の学生・保護者の方で、より詳しい進級要件を知りたい場合は、大学が配布する履修要綱や、学部窓口・教務課への確認が最も確実な方法です。
なお、大学によって留年率という単一の指標が公式に存在しない理由については、留年(原級留置)が学籍の異動を伴わないため全国統一の集計になじみにくいという構造的な背景があります。この点をより詳しく知りたい方は、別記事の留年率が高い大学ランキングは存在する?大学別データの調べ方と学部系統の傾向で整理していますので、あわせてご確認ください。
留年率そのものは確認できなくても、大学がどのような学部構成を持っているかは、公式サイトで確認できる事実です。学部構成を把握しておくことは、後の章で解説する「中堅私大に共通する傾向」を自分の大学に当てはめて考える際の土台になります。
國學院大學は、文学部(日本文学科・中国文学科・外国語文化学科・史学科・哲学科)、神道文化学部、法学部、経済学部(経済学科・経営学科)、人間開発学部(初等教育学科・健康体育学科・子ども支援学科)、観光まちづくり学部の6学部で構成される、人文社会科学系を中心とした総合大学です。神道文化学部のように他大学にはあまり見られない学部を持つ一方、法学部・経済学部のような一般的な社会科学系学部、人間開発学部のように教員免許や資格取得と結びついた実践的な学部も併せ持っており、学部ごとにカリキュラムの性格は大きく異なります。
流通経済大学は、経済学部(経済学科・経営学科)、共創社会学部(地域人間科学科・国際文化ツーリズム学科)、流通情報学部(流通情報学科)、法学部(法律学科・自治行政学科)、スポーツ健康科学部(スポーツ健康科学科・スポーツコミュニケーション学科)の5学部で構成されています。物流・流通分野に強みを持つ大学として知られていますが、学部構成を見ると、経済・法律・情報・スポーツ健康科学と、専門性の異なる複数の分野を持つ点は他の中堅私大と共通しています。
いずれの大学も、実技・実習・資格取得と結びついた学部(國學院大學の人間開発学部、流通経済大学のスポーツ健康科学部など)と、講義・論述試験中心の学部(法学部・経済学部など)が同居しています。留年率の数値そのものが公表されていなくても、「自分の学部が、実技・実習を含む積み上げ型のカリキュラムかどうか」を把握しておくことは、次の章で説明する一般的な傾向を理解するうえで役立ちます。
國學院大學・流通経済大学とは対照的に、関西学院大学は公式サイト「About KG 関西学院大学に関する情報公開・データ」の中で、「在籍学生数内訳、留年者数、退学者数」という資料を公開しています。この資料には、学部・学科ごとに2023年度・2024年度・2025年度の3年分について、次の項目が具体的な数値で記載されています。
大学全体(学士課程合計)の留年率は、次のように推移しています。
| 年度 | 在籍学生数 | うち留年者数 | 留年率 |
|---|---|---|---|
| 2023年度 | 24,300人 | 885人 | 3.6% |
| 2024年度 | 24,722人 | 1,018人 | 4.1% |
| 2025年度 | 24,779人 | 1,026人 | 4.1% |
さらに学部別の内訳を見ると、同じ大学の中でも留年率には明確な差があることが分かります。以下は、比較的長期間のデータが蓄積されている既存学部について、2025年度の留年率(学部単位の計)をまとめたものです(2023年度以降に新設・改組された理系学部群は、在籍学年が偏っており単純比較になじまないため、次の章で別途取り上げます)。
| 学部 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|
| 教育学部 | 1.2% | 2.1% | 2.3% |
| 社会学部 | 2.9% | 2.9% | 2.9% |
| 法学部 | 3.5% | 3.6% | 3.1% |
| 商学部 | 2.9% | 3.9% | 3.8% |
| 人間福祉学部 | 3.3% | 4.6% | 4.1% |
| 文学部 | 4.1% | 4.4% | 4.2% |
| 総合政策学部 | 4.3% | 5.1% | 4.9% |
| 国際学部 | 5.7% | 6.7% | 5.7% |
| 経済学部 | 4.5% | 4.6% | 5.3% |
| 神学部 | 2.4% | 4.3% | 5.9% |
この表から読み取れる特徴は主に2つあります。1つ目は、最も低い教育学部(2.3%)と最も高い神学部(5.9%)の間に、2倍以上の開きがあることです。ただし神学部は在籍学生数が135人(2025年度)と他学部に比べて小規模なため、少人数の留年者の増減が留年率(%)を大きく動かしやすいという特性がある点は割り引いて見る必要があります。2つ目は、教育学部・社会学部・法学部といった、資格試験や実習と直結した進級要件を持つ学部が、必ずしも留年率が高いわけではないという点です。理工系学部で留年が話題になりやすいという一般的な傾向(後の章で解説します)とはまた別の要因が、学部ごとの数字には影響していることがうかがえます。
なお、関西学院大学の資料では、すべての学部・学科で「原級留置制度」は「無」と記載されています。原級留置制度とは、一定の基準を満たさない学生を自動的に下級学年へ差し戻す仕組みを指しますが、多くの大学では、こうした自動的な学年差し戻しの制度を持たず、進級要件(必要単位数や必修科目の合否)を満たせなかった結果として、在籍学年と修得単位数の実態にズレが生じる形で留年状態になります。この違いは、後ほど「進級要件の違い」の章で詳しく取り上げます。
國學院大學・流通経済大学・関西学院大学という3つの大学名を挙げてきましたが、これらはいずれも複数の学部・学科を持つ、いわゆる「中堅私大」と呼ばれる規模帯の大学です。この章では、個別の大学名を離れて、中堅私大に共通しやすい構造的な特徴を整理します。
「中堅私大」という言葉に統一された学術的な定義はありませんが、一般に、難関国立大学や早慶上智・MARCH・関関同立といった最上位私大群と、単科大学や小規模な地方私大との中間に位置する、複数学部を持つ中規模〜大規模の私立大学を指して使われることが多い言葉です。今回取り上げた3大学も、人文系・社会科学系・国際系・スポーツ健康系・理工系など、性格の異なる複数の学部を1つの大学の中に併せ持っています。
| 大学の種類(一般的な区分の目安) | 学部構成の傾向 | 留年率データの傾向 |
|---|---|---|
| 難関総合大学(早慶・MARCH・関関同立など) | 多くの学部を持ち、規模も大きい | 大学単位で留年率・進級率を公式に公表しているケースが比較的目立つ |
| 中堅私大(今回取り上げた3大学など) | 複数学部を持つが、大学ごとに公表方針の差が大きい | 公表している大学もあれば、していない大学もあり一律ではない |
| 単科大学・小規模私大 | 特定分野(医療系・芸術系など)に特化した学部のみ | 分野特有の国家試験関連調査(文部科学省の薬学部調査等)で数字が確認できる場合がある |
この表はあくまで一般的な傾向を大まかに整理したものであり、すべての大学に当てはまるわけではありません。実際、今回確認した中堅私大3校の中でも、関西学院大学のように難関私大と同等以上に詳しいデータを公表している大学もあれば、國學院大學・流通経済大学のように公表していない大学もあり、「中堅私大だから公表が手薄」と単純に言えるわけでもない点は押さえておいてください。
この学部構成の多様性こそが、「大学単位の留年率」という発想そのものになじみにくい最大の理由です。関西学院大学のデータでも見た通り、同じ大学の中で教育学部(2.3%)と神学部(5.9%)、あるいは規模の大きい経済学部(5.3%)と社会学部(2.9%)の間には、明確な差があります。「〇〇大学は留年率が高い/低い」という大学単位の一括りの評価は、学部構成が多様な中堅私大ほど実態とズレやすいと言えます。志望校選びや在学中の不安の解消のためには、大学全体の評判ではなく、自分が所属する(または志望する)学部・学科の実態を個別に確認することが欠かせません。
全国的な留年率のデータや、大学によって公表される情報の粒度が異なる背景については、別記事の大学の留年率はどれくらい?学部別・国立私立別データまとめでも詳しく解説しています。あわせて確認いただくと、この記事の位置づけがより理解しやすくなります。
学校教育法施行規則第172条の2は、入学者数・卒業者数・学生納付金額など一定の項目について、大学に公表を義務付けています。しかし、この規則は「留年率」という指標を名指しで公表対象に含めているわけではありません。そのため、留年に関するどこまでの情報を、どのような粒度で公表するかは、最終的に各大学の自主的な判断に委ねられている部分が大きいのが実情です。
公表に積極的な大学がある背景として考えられる要因はいくつかありますが、たとえば、自己点検・自己評価活動の一環として教学データを積極的に公開する方針を取っている大学、外部の第三者評価機関からの評価を意識して情報公開を充実させている大学などが挙げられます。一方で、公表していない大学が消極的・不誠実であるとは限りません。学部間の差が大きい数値を大学単位で公表することが、かえって特定の学部への誤解を招きかねないと判断している可能性も考えられますし、単純に「他大学の多くも公表していないため、あえて先行して公表する優先度が高くなかった」というケースもあり得ます。特定の大学がどちらの理由に該当するかを、この記事で断定することはできません。重要なのは、公表の有無という結果だけを見て大学の姿勢を評価するのではなく、公表されている範囲の情報を確実に活用することです。
大学における「留年」の仕組みは、大きく2つのパターンに分けて考えると理解しやすくなります。
| パターン | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| 原級留置制度がある場合 | 特定の学年(多くは1〜2年生)で進級判定を行い、基準を満たさない学生を制度上「留年」として同じ学年に留め置く | 「進級できた/できなかった」が学年単位で明確に区切られる。理工系学部や医療系学部の下級学年で採用されることがある |
| 原級留置制度がない場合 | 学年ごとの自動進級判定は行わず、卒業に必要な単位数・必修科目をすべて満たせるかどうかで、標準年限(4年制なら4年)での卒業可否が決まる | 在籍学年という概念が曖昧になりやすく、「4年生だが実質的に3年生相当の単位しか取れていない」という状態が起こりうる |
関西学院大学の資料ではすべての学部で原級留置制度が「無」とされていましたが、これは全国の大学に共通する標準というわけではありません。理系学部や、国家試験と結びついた資格系学部の一部では、下級学年に明示的な進級判定を設けている大学もあります。自分の大学・学部がどちらのパターンに該当するかは、入学時に配布される学則・履修要綱、あるいは大学の「成績・進級・卒業」に関する案内ページで確認できます。國學院大學の場合、公式サイトに「成績/進級/卒業」というページがあり、2年生および経済学部1年生を対象とした進級判定の仕組みが案内されています。
いずれのパターンであっても、留年の根本的な原因は必修科目の単位を落とすことにあります。必修科目は選択科目のように他の科目で代替することができないため、1つ落とすだけで卒業までの計画に影響が出ることがあります。必修科目の定義や、落とした場合の一般的な影響については、別記事の大学の必修科目とは?落とした場合の進級への影響で詳しく解説しています。
中堅私大に限らず、大学全体の傾向として、理系学部・医療系学部・資格系学部は、必修科目の比重が高く、実験・実習科目が積み上げ型で配置されているため、留年が話題になりやすい構造的な特徴を持つとされています。前の章で紹介した関西学院大学のデータでも、2023年度に新設・改組された理系学部群(理・工学部、工学部、生命環境学部、建築学部)は、在籍する学年がまだ1〜3年生に限られる移行期であるため単純な比較はできないものの、旧・理工学部の一部学科では、卒業年次に近づくにつれて留年率(%)の分母(在籍学生数)が急激に小さくなる一方で分子(留年者数)の割合が高まる、という推移が確認できます。これは、改組による学生数の急減という特殊要因が大きく影響しており、理系学部全般が一律に「留年率が高い」と単純化できるわけではない点には注意が必要です。
文系学部であっても、経済学部・法学部のように専門科目が体系的に積み上がっていく学部では、基礎科目でつまずくとその後の専門科目の理解にも影響が及びやすいという傾向は共通しています。國學院大學・流通経済大学のように大学単位で公式な留年率が確認できない場合でも、こうした「必修科目が積み上げ型かどうか」「実験・実習・国家試験対策が組み込まれているかどうか」という学部の構造的な特徴は、シラバスやカリキュラム表からある程度読み取ることができます。
なお、関西学院大学の学部別データをあらためて見ると、既存学部の多くで2023年度から2025年度にかけて留年率がやや上昇する傾向が確認できます(例:経済学部4.5%→5.3%、総合政策学部4.3%→4.9%、教育学部1.2%→2.3%)。この上昇について、大学側から特定の原因を説明する公式なコメントは確認できませんでした。特定の要因を断定することは避けますが、複数年度のデータを並べて見ることで、単年度の数字だけでは分からない変化の方向性が見えてくるという点は、留年率データを読む際の一つの視点として押さえておいてください。
興味深いのは、同じ資料に記載されている学士課程合計の当該年度退学者数が、2023年度233人、2024年度208人、2025年度193人と、留年率の上昇とは逆に減少傾向にある点です。留年者数が増える一方で退学者数は減っているという組み合わせは、「単位が思うように取れず在籍学年に留まる学生は増えているが、そこで大学を離れる選択をする学生は必ずしも増えていない」という状況を示している可能性があります。ただし、これも大学側が公式に説明している因果関係ではなく、公表されている数字の組み合わせから編集部が読み取れる範囲の傾向にとどまる点はあらためて申し添えておきます。
近年は多くの大学で、成績評価の指標としてGPA(Grade Point Average)が導入されています。進級要件そのものにGPAの基準を設けている大学もあれば、単位数のみを進級要件とし、GPAは大学院進学や留学選考の際に参照される大学もあり、この運用も大学・学部によって異なります。関西学院大学の資料では原級留置制度自体は「無」とされていましたが、これは自動的な学年差し戻しがないという意味であり、GPAが低い状態が続けば、必修科目の再履修が積み重なり、結果として標準年限での卒業が難しくなる可能性は他大学と同様にあります。GPAの仕組みや、低い場合の挽回の考え方については、別記事のGPAとは?意味・計算方法・重要視される理由をわかりやすく解説でまとめていますので、自分の大学の成績評価と照らし合わせながら確認してみてください。
難関私大の留年率データと比較したい場合は、別記事の早稲田・慶應・中央・法政・同志社の留年率まとめも参考になります。同じ「留年率を公式に公表している私立大学」でも、大学によって公表形式(学部別の留年者実数を積み上げる方式か、入学年度別のコホート追跡方式か)が異なる点が分かり、この記事で紹介した関西学院大学のデータの読み方の理解にも役立ちます。理系学部の学部別進級率を公表している大学の別の実例としては、東京理科大学の留年率は高い?学部別の実態と対策も参考にしてください。
國學院大學・流通経済大学のように留年率そのものが見当たらない大学に在籍している場合でも、あるいは関西学院大学のように詳しいデータが公表されている大学の場合でも、まずは自分の大学の情報公開ページを自分の目で確認しておくことをおすすめします。手順は次の通りです。
この手順を踏めば、少なくとも「自分の大学がどこまで情報を公表しているか」という事実を、噂に頼らず正確に把握できます。公表されているデータが少ない大学であっても、それ自体を大学の良し悪しの判断材料にするのではなく、「進級要件は履修要綱で、統計的傾向は公表されている範囲で」という形で、情報源を使い分けることが現実的な向き合い方です。

ここまで、大学ごとの留年率の公表状況と、中堅私大に共通しやすい構造的な傾向を見てきました。この章では、大学が留年率を公表しているかどうかにかかわらず、在学中の学生本人が取り組める一般的な対策を整理します。「必ず単位が取れる」「絶対に留年しない」といった保証はできませんが、多くの大学に共通する基本的な対策を押さえておくことで、リスクを一つずつ減らしていくことは可能です。
最も基本的でありながら、意外と後回しにされがちなのが、自分の所属学部の進級要件を正確に把握することです。学則・履修要綱には、卒業に必要な総単位数だけでなく、必修科目・選択必修科目それぞれの区分、進級判定がある場合はその基準が明記されています。「先輩から聞いた話」や「なんとなくの理解」で済ませず、入学直後、あるいは学年が上がるタイミングで、履修要綱の該当ページを必ず自分の目で確認する習慣をつけてください。必修科目と選択科目の違いや、落とした場合に翌年度どう対応すればよいかについては、前述の必修科目とはの記事で詳しく解説しています。
単位を落とす原因の多くは、才能や努力そのものというより、履修登録前の情報収集不足と、学期を通じたスケジュール管理の甘さにあるとされています。シラバスで評価方法(出席・レポート・試験の配分)を事前に確認する、CAP制(学期あたりの履修上限単位数)の範囲内で無理のない計画を立てる、必修科目を優先的に確保するといった基本を押さえるだけでも、単位を落とすリスクは大きく下がります。具体的な履修計画の立て方については、別記事の大学の単位の取り方完全ガイド|落とさないための計画法で、1年間を通じたスケジュール管理の手順まで詳しく紹介しています。
単位を落とす兆候は、学期の途中である程度見えてきます。次のような状態に心当たりがある場合は、「まだ大丈夫」と先延ばしにせず、早い段階で対応を検討してください。
| 危険信号 | 想定される対応 |
|---|---|
| 出席回数が、シラバスに記載された最低ラインに近づいている | 担当教員・教務課に、現時点の出席状況と欠席の上限を確認する |
| 中間レポート・小テストの評価が振るわない | 評価基準を再確認し、期末に向けて何を改善すべきか具体的に洗い出す |
| 必修科目の内容についていけていないと感じる | 早い段階でオフィスアワーや学習相談窓口を利用し、分からない箇所を放置しない |
| 複数科目で同時に不安を感じている | 履修取消(ドロップ)制度の対象・期限を確認し、無理な科目を抱え込みすぎない |
特に、履修取消制度は多くの大学で学期の前半に申請期限が設けられています。「まだ間に合うかもしれない」と様子を見ているうちに期限を過ぎてしまうと、不合格の記録だけが残ってしまうことがあるため、危険信号を感じたら早めに制度の内容と期限を確認することが重要です。
人文系・社会科学系学部で単位を落とす原因として、試験の点数そのものよりも、レポート課題の評価基準を満たせないケースが少なくありません。構成・論証の組み立て方・引用や参考文献の示し方といった基本的な作法は、高校までの作文とは異なるルールで評価されます。レポートの基本的な書き方については、別記事の大学のレポートの書き方で詳しく解説していますので、必修科目にレポート課題が含まれている方は、あわせて確認しておくことをおすすめします。
どれだけ気をつけていても、結果的に単位を落としてしまうことはあります。その場合に重要なのは、落としたこと自体を過度に悲観するのではなく、大学が用意している再試験・追試験・再履修といった救済措置の仕組みを正確に理解し、次の学期以降にどう挽回するかを冷静に計画することです。救済措置の一般的な種類や利用条件については、別記事の大学の単位の救済措置でまとめています。
多くの中堅私大には、教務課とは別に、学習支援センターやライティングセンター、修学相談窓口といった、学業面のつまずきを個別にサポートする学内施設が設置されています。國學院大學・流通経済大学・関西学院大学のいずれも、公式サイトの情報公開ページには「修学、進路選択、心身の健康等の支援」といった項目があり、こうした支援体制の存在自体は確認できます。「授業についていけていない」と感じた段階で、成績が確定してから慌てて動くのではなく、学期の早い時期から学内の支援窓口を使う習慣をつけておくと、選べる対策の幅が広がります。
この記事で紹介したような大学の公表データは、一度確認して終わりにするのではなく、学期末の成績発表のタイミングなど、定期的に見直す習慣をつけることをおすすめします。関西学院大学のデータでも、多くの学部で2023年度から2025年度にかけて留年率がやや上昇する傾向が見られました。大学全体の傾向が変化することもあるため、入学時に確認した情報のまま安心してしまわず、学年が上がるごとに最新の公表内容と自分の修得単位数・GPAを照らし合わせることが、結果的に最も確実な自己防衛になります。
ここまで紹介した対策1〜7は、どの学部にも共通する基本ですが、学部のタイプによって特に重点を置くべきポイントは変わってきます。自分の学部がどちらに近いかを踏まえて、優先順位をつけて取り組んでみてください。
| 学部タイプ | 特に重点を置くべき対策 |
|---|---|
| 実技・実習・資格取得と結びついた学部(例:國學院大學 人間開発学部、流通経済大学 スポーツ健康科学部など) | 実習の出席要件・履修順序(先修条件)を早期に確認し、座学の必修科目を実習前の学年で確実に取り切っておく |
| 講義・論述試験中心の学部(例:法学部・経済学部・文学部など) | レポート・論述試験の作法を早い学年で身につけ、基礎科目でのつまずきを次年度の専門科目に持ち越さない |
| 複数コース・複数専攻に分かれる学部(関西学院大学の総合政策学部など) | 所属コース・専攻ごとに進級要件が異なる場合があるため、学部共通の説明だけでなく自分のコースの要件を個別に確認する |
留年率のデータを調べたり、留年を回避するための対策を立てたりする過程で、多くの学生・保護者がつまずきやすいポイントを整理しておきます。
國學院大學・流通経済大学のように留年率という数値そのものを公表していない大学は、決して珍しくありません。教育情報の公表義務(学校教育法施行規則第172条の2)は、入学者数・卒業者数・学生納付金額など一定の項目を対象としていますが、「留年率」という指標そのものの公表までは一律に義務付けられていません。公表していないことを、実態が悪いことの証拠であるかのように受け取るのは早計です。
インターネット上には、個別の大学名を挙げて具体的な留年率(%)を紹介するまとめサイトや掲示板の投稿が数多く存在します。出典・算出方法・調査年度が明記されていない数字は、独自の推計や噂ベースの情報である可能性が高く、鵜呑みにするのは危険です。この記事で関西学院大学の数字を紹介した際も、大学公式サイトに掲載されている一次資料(PDF)から直接確認できる数値のみを引用しています。
関西学院大学のデータで見た通り、同じ大学の中でも学部によって留年率には明確な差があります。「関関同立は留年率が低いらしい」「中堅私大は留年しやすいらしい」といった大学単位の大まかなイメージだけで安心したり不安になったりするのではなく、自分が所属する、あるいは志望する学部・学科の進級要件を個別に確認することが重要です。
カリキュラム改訂や進級判定基準の見直しにより、数年前のデータが現在の実態と乖離している場合があります。関西学院大学の資料のように、複数年度分が並べて公表されている場合は、直近の年度の数値だけでなく、増減の推移まで確認しておくと、より実態に近い理解につながります。
留年を繰り返した場合の最終的なリスクとして「除籍」を挙げる情報もありますが、留年そのものと、大学の学籍を失う除籍・自ら学籍を離れる退学は、まったく別の手続きです。國學院大學の情報公開ページでも、「退学・除籍者数」と「留年」は別項目として整理されており、両者を混同しないことが正確な理解の第一歩になります。多くの大学では、在籍できる最長年限(修業年限の2倍程度など)を超えた場合に除籍となる規定がありますが、1年や2年留年した程度で直ちに除籍になるわけではありません。
関西学院大学の教育学部のように、学部全体の留年率が相対的に低い場合であっても、それは学部全体の集計値であり、個人が対策を怠ってよい理由にはなりません。学部全体の傾向が良好であっても、必修科目を落とせば、その学生個人にとっての進級・卒業リスクは他の学部の学生と変わらず存在します。
保護者の方が大学の留年率や関連データを調べること自体は自然な行動ですが、調べた数字を根拠に「この大学(学部)は留年率が高いから心配だ」と一方的に問い詰めてしまうと、本人が本当の状況を話しにくくなることがあります。公表データはあくまで大学全体の傾向であり、お子さん個人の現状とは別のものです。まずは修得単位数や成績表など、本人の実際の状況を一緒に確認するところから始めることをおすすめします。
| 確認項目 | チェックの視点 |
|---|---|
| 出典 | 大学公式サイトの情報公開ページ、大学ポートレートなど、一次情報にたどり着けるか |
| 対象範囲 | 大学全体の数字か、学部・学科まで絞られた数字か |
| 年度 | 直近の年度のデータか、複数年度の推移を確認できるか |
| 算出方法 | 在籍学生数に対する留年者数の割合なのか、入学年度別のコホート追跡なのかが明記されているか |
| 自分ごと化 | 大学・学部全体の傾向を確認した上で、自分自身の修得単位数・GPA・必修科目の状況と照らし合わせたか |
國學院大學・流通経済大学のように大学が留年率を公表していない場合、関西学院大学のように公表している場合のいずれであっても、大学全体・学部全体の統計データから分かるのは平均的な傾向であり、「今の自分が進級・卒業に対してどのくらいの位置にいるのか」という個別の状況までは教えてくれません。次のようなサインが見えてきたら、教務課や指導教員だけでなく、外部の専門家に相談することも選択肢に入れてみてください。
これらのサインは、いずれも「今すぐ深刻な事態になっている」ことを意味するわけではありません。むしろ、深刻な事態になる前の早い段階でこうしたサインに気づき、対応を始められるかどうかが、結果的に大きな差につながります。統計データを何時間も調べ続けるよりも、早めに現状を専門家と一緒に整理するほうが、時間の使い方としても効率的な場合が少なくありません。
「自分の場合はどの程度リスクがあるのか分からず、漠然と不安なだけ」という段階でも、決して早すぎることはありません。スプリング・オンライン家庭教師の単位・進級サポートでは、現在の履修状況やご不安な点をうかがい、今の状態が大学の進級要件に対してどのくらいの位置にあるのかを一緒に整理する無料相談を行っています。相談したからといって必ず契約しなければならないわけではなく、現状を客観的に整理する目的だけでも気軽にご利用いただけます。なお、レポート・課題の代筆や代行のような形での支援は一切行っておらず、本人が理解し、本人の力で単位を積み上げていくための指導に徹しています。
無料相談では、まずご本人(または保護者の方)から、現在の学年・学部・修得単位数・GPA・不安に感じている科目などをうかがい、その情報をもとに、大学が公表している(あるいは公表していない)一次情報と照らし合わせながら、現在地を一緒に整理していきます。その上で、レポート添削(1本19,800円)が適しているのか、個別指導(月4回36,000円)でカリキュラムに沿った継続的な伴走が必要なのかを、状況に応じて率直にお伝えします。
なお、大学の進級要件や学部の傾向を調べた結果、今の学部・カリキュラムそのものが自分の適性や関心と合っていないと感じるケースもあります。その場合、今の大学で立て直す道だけでなく、大学編入という選択肢を視野に入れる学生もいます。編入は、すでに取得した単位を活かしながら別の大学の途中年次に入学できる正規の制度であり、学部・カリキュラムそのものが合わないと感じる場合の選択肢の一つとして知っておいて損はありません。ただし、これはあくまで数ある選択肢の一つであり、まずは今の大学での進級・卒業を目指すことが基本であることは付け加えておきます。

A. 編集部が公式サイトの情報公開ページと大学ポートレートを確認した範囲では、國學院大學が留年率を具体的な数値として公表しているページは見当たりませんでした。公表されているのは入学者数・在学者数・卒業者数・就職の状況・退学/除籍者数までで、留年者数・留年率という項目は一覧に含まれていません。不確かな数字を断定的に紹介することは避け、この点は正直にお伝えします。
A. 「留年率」という項目名では公表されていませんが、公式サイトの「ファクトブック」に、学科別の「3学年進級率」と「退学率」が2019〜2024年度分掲載されています。全学の3学年進級率は2024年度で93.3%、退学率は2023年度で3.7%でした。この2つを組み合わせると、留年に近い状態にある学生の割合はおおよそ3%程度と推計できますが、これはあくまで概算値です。詳しい進級要件を知りたい場合は、履修要綱の確認や教務課への問い合わせをおすすめします。
A. 大学によって教育情報の公表方針や、自主的に開示する情報の範囲が異なるためです。関西学院大学は公式サイトの情報公開ページで、学部・学科別の在籍学生数・留年者数・留年率・退学者数を年度ごとにPDF資料として公表しています。これは同大学が自主的に開示している情報であり、すべての大学が同じ水準で公表しているわけではありません。
A. 留年率そのものが公表されていなくても、卒業者数・在学者数・退学者数といった関連データが公表されている場合は、それらを手がかりに大学全体の傾向をある程度推測できます。ただし、これはあくまで間接的な読み解きであり、大学が算出した公式な留年率とは異なる点に注意してください。最も確実なのは、自分の学部の履修要綱や教務課で、進級要件と自分自身の修得単位数を直接照らし合わせることです。
A. 特定の学年(多くは1〜2年生)で進級判定を行い、基準を満たさない学生を制度上「留年」として同じ学年に留め置く仕組みのことです。関西学院大学の資料では全学部でこの制度は「無」とされていましたが、大学によっては採用しているところもあります。制度がない大学でも、卒業に必要な単位数・必修科目を満たせなければ、結果的に標準年限での卒業が難しくなる点は同じです。
A. 大学の偏差値・難易度と留年率の高さは、必ずしも比例するとは限りません。関西学院大学のデータを見ても、学部によって留年率には大きな差があり、大学単位で一括りに「中堅私大は留年しやすい」と断定することはできません。難関私大の留年率データについては、別記事の早稲田・慶應・中央・法政・同志社の留年率まとめでも、大学ごとの公表方式の違いを含めて紹介しています。
A. 学部全体の留年率が低いことは、あくまで集団としての傾向であり、個人が対策を怠ってよい理由にはなりません。留年率が低い学部であっても、必修科目を落とせば進級・卒業に影響が出ることは他の学部と変わりません。数字は参考情報の一つとして活用しつつ、自分自身の履修状況を継続的に確認することが重要です。
A. まずは自分の学部の進級要件(必要単位数・必修科目・GPA基準など)を履修要綱で確認し、現在の修得単位数・GPA・出席状況と照らし合わせてください。そのうえで、履修取消の期限や再試験・追試験といった救済措置の有無を確認し、早めに教務課や担当教員、必要に応じて外部の専門家に相談することをおすすめします。統計データを調べることに時間を使いすぎず、自分自身の現状把握を優先してください。
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「國學院大學 留年率」「流通経済大学 留年率」を調べると、大学によって公表状況がまったく異なることが分かります。國學院大學は、大学公式サイトや大学ポートレートで確認できる範囲には、具体的な留年率(%)の数値は見当たりませんでした。流通経済大学は「留年率」という項目名こそありませんが、「ファクトブック」に学科別の進級率・退学率が公表されており、そこから留年に近い状態のおおよその傾向をつかむことができます。関西学院大学は、学部・学科別の留年者数・留年率そのものを年度ごとに詳しく公表しています。これは情報が隠されているのではなく、留年率という指標をどこまで具体的に公表するかは、大学ごとの自主的な方針に委ねられているためです。
中堅私大は学部構成が多様であるため、大学単位の一括りの評価よりも、自分が所属する(または志望する)学部・学科の進級要件、必修科目、GPA制度の運用を個別に確認することが、実態把握の近道です。関西学院大学のデータで見た通り、同じ大学の中でも学部によって留年率には2倍以上の差が生じることがあり、「大学名」だけで安心したり不安になったりするのは早計だと言えます。
大学が留年率を公表しているかどうかにかかわらず、最終的に大切なのは、単位・進級サポートのような専門家の力も借りながら、今の自分自身の履修状況・修得単位数・GPAを正確に把握し、必要な対策を一つずつ進めていくことです。統計データは出発点にはなっても、あなた自身の現在地を教えてくれるものではありません。
保護者の立場で検索している方も少なくないでしょう。お子さんの大学の留年率が公表されていないことに不安を感じる気持ちは自然なことですが、公表の有無そのものは大学の教育の質を直接示すものではありません。まずは大学の履修要綱や教務課からの案内を一緒に確認し、お子さんの現在の修得単位数・履修状況について、客観的な事実にもとづいて会話することから始めてみてください。
この記事で紹介した確認手順は、國學院大學・流通経済大学・関西学院大学に限らず、どの大学にも応用できます。まずは自分の大学の情報公開ページを開き、公表されている項目とされていない項目を仕分けるところから始めてみてください。そのうえで、公表データという「大学全体の傾向」と、履修要綱・成績表という「自分自身の現在地」の両方を手元に置きながら、必要に応じて学内の支援窓口や外部の専門家を頼っていくことが、留年という漠然とした不安を、具体的に対処できる課題へと変えていく一番の近道です。